〈ハロウィン〉
ジョン・カーペーターの1978年版本家の正統な続編だ。圧倒的な恐怖と理解不能さはエンドクレジットの呼吸音まで続く

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動機も理由もなく襲ってくる殺人鬼の正体は?

   結局のところ78年版の面白さの本質とは一体何か? それは、ブギーマンことマイケル・マイヤーズが襲ってくる理由に説明が一切なく、「理解不能」だからだ。動物や災害でもなく、襲う対象が人間であるからこそ、我々は恐怖を感じると同時に、動機を知りたくなるのだが、その動機を明かさないことで、さらに恐怖を煽る――これが「面白さ」の本質だった。

   本家よりも恐怖に対する描写に容赦がなく、頭上に設置された鉛が、いつ落下するか分からないような感覚に常に襲われる。あきれるほどに突き抜けた恐怖描写と理解不能さは、歌舞伎における「型」を思わせ、78年版がスラッシャーホラーというジャンルを作り上げた功績を感じさせる。エンドクレジットの呼吸音は一体何を意味するのか、スラッシャー映画ファンには愚問だろう。ブギーマンは、我々に恐怖という愉悦を今後も与え続けるに違いない。

丸輪 太郎

オススメ度☆☆☆☆

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