中国のテーマパークが巨大なスフィンクス像を建設した。中国ではスフィンクスの人気が高いのだという。残念なのは、そのすぐ隣にこれも巨大なロボットが立っていて、エジプトの砂漠のイメージはない。エジプト政府は無許可建設に怒り心頭で、「世界遺産条約に反している」と再三抗議しているが、その対処法がこれまたびっくりなのだ。テーマパークの職員は、「文句を言われないように、スフィンクスの頭の部分を(獅子から)シカに変える予定」と話している。
偽物テーマパークはこれだけではない。施設内のホテルのトイレ、ベッド脇、枕元などに70体の「兵馬俑」が展示されていて、客は「怖くて眠れない」と話す。ロシア国境の町には「マトリョーショカランド」があって、高さ30メートルの巨大マトリョーショカなどが立っている。
安徽省の豊かな森に囲まれた公園には、「叫びの泉」という声の大きさに合わせて水が噴き出す噴水があり、観光客たちがマイクを使って次々に大声で叫ぶため、自然の静寂はたちまち破られてしまう。
中国政府は規制「模倣の国というイメージ払拭したい」
こうしたテーマパークが中国には約2700あるのだそうだ。中間層が増加して旅行が人気となり、インスタ映えを狙ってやって来るのだが、中国政府も規制に乗り出した。話題になって一時的に客が来ても、2度はこないため、破綻の恐れがある」「模倣する国というイメージを払拭したい」という狙いからだ。
吉永みち子(作家)「残念すぎて笑っちゃう。でも、中国には13億人いるからリ、ピーターのことを計算しなくてもいいのかも」
実は、偽物テーマパークには日本からの観光客も多い。関上武司氏の著書「中国遊園地」という本が人気で、ここには中国各地のテーマパークの歩き方がまとめられている。 野上慎平アナ「著者の関上さんも、この本を無許可で作ったそうです。中国人はたくさん海外旅行をしているのだから、海外の知識を持ち帰ってほしいと、中国政府も言っています」
でも、残念すぎて面白いというのもいいんじゃないかなあ。中国人観光客が殺到している京都や浅草のパクリものも出てくるのではないか。