あらゆる物質をのみ込む宇宙のブラックホールを、国立天文台など国際研究チームが撮影に成功した。地球から5500万光年離れたおとめ座の「M87」という、銀河の中心にあるブラックホールで、赤く輝いた輪の真ん中に黒く抜けた部分があった。
強い重力で光さえ吸い込んでしまうとため撮影は不可能とされていたが、研究チームはハワイ、チリ、南極などの世界6か所、計8つの電波望遠鏡を組み合わせ、人間の視力のおよそ300万倍にまで解像度を高めて成功した。その解像度は、月面に置いたゴルフボールを地球上の人間が肉眼で見分けることができる精度という。
国立天文台の本間希樹教授は「ブラックホールを知ることは、銀河を知ることであり、銀河に中で星ができ、太陽ができるという形で最終的に私たちに跳ね返ってくる問題です」と説明した。これが解明されることで、宇宙や生命の起源が分かるというのだ。
人間が吸い込まれたらたちまちスパゲティ状態
スタジオではゲスト出演した放送大学の谷口義明教授に初歩的質問が殺到した。山崎夕貴アナは「なぜ星が寿命を迎えると、ブラックホールになるんですか?」
谷口教授「星のコアみたいな部分が、重力で縮んでいくんです。われわれからすると、物質が縮んで行くイメージを持ちますが、アインシュタイン先生はそうではなく、時間と空間が一緒に縮んで、どんどん歪んでいく。歪みが無限大になったら何も出てこられないと解明したんです」
報した岸本哲也リポーター「太陽や地球はブラックホールになるんですか」
谷口教授は「いえ、太陽や地球は重いが、ブラックホールになるほど重くはないんです」
岸本「もし人が吸い込まれたらどうなるんですか」
谷口教授「スパゲティーのように細く長く伸ばされ、一瞬で死亡するでしょう」
今回の撮影はノーベル賞ものなのだそうだ。