再開発が進む渋谷で、工事のために張られたフェンスに描かれた絵が評判だ。2週間余りでツイッターの再生回数550万回にもなり、「感動しました」「心がほっこりする」という感想が書き込まれている。
工事現場の絵は珍しくないが、宮下公園の明治通りに接した一画のは違う。ぐるりと歩いて見ると、初めてわかる長大な物語になっているのだ。2週間余りでツイッターの再生回数550万回にもなった。
囲いは全長200メートル。渋谷から原宿方面へ進むと、物語が始まる。「A day in the life Shibuya」というタイトルで、主人公は女の子とペットの犬。散歩をしていると、モヤイ像の前でダンスをする若者と出会う。女の子が気を取られている間に、犬と離れてしまう。
犬を探して街の人々に聞いて回る。途中、ハチ公像の前で帽子を落としてしまう。犬も女の子を探していて、帽子を見つける。それに気づいたのが、女の子に犬の行方を尋ねられた男性だった。
目の不自由なおばあさんが、おじいさんとはぐれて困っていた。女の子はおばあさんの手を取り、おじいさんのところへ連れて行ってあげた。そこへ、犬を見かけた男性がやってくる。「犬はハチ公の前にいたよ」
走り出す女の子。ハチ公の前で無事に再会をはたす。
渋谷という街でさまざまな人がふれあい、助け合うストーリーである。
美術大学の学生ら約200人が2か月をかけて制作
描かれたのは約1年前で、美術大学の学生ら約200人のボランティアが2か月をかけて描いた。
企画したプロジェクトリーダーの田村勇気さんは、「渋谷区はダイバーシティー、多様性をメッセージとして訴えていたので、障害がある方とかLGBTの方とかがいることで、新しい社会が生まれるというメッセージを発信できればいいかな思いました」と話す。
司会の国分太一「宮下公園に1年前からありました。テリーさん、知ってました?」
テリー伊藤(タレント)「あのあたり、怖いところだから、これを見るとホッとするよね」
谷本有香(「フォーブスジャパン」副編集長)「ニューヨークのブルックリンとか、ハワイとかにもこういうものがあります。観光にもなり、経済効果も生む。保管できたらいいですね」
囲いが外されるのは今年の秋頃の予定だ。