ヘアケア製品ブランド「パンテーン」が8日(2019年4月)に公開した動画をきっかけに、髪形に関する校則は必要なのかという議論がネット上などで巻き起こっている。公開から4日間で約500万回再生された。
動画では、生まれつき髪が茶色い女子生徒が地毛証明書を提出したのに、髪の毛を染めるか切るかするよう学校に求められたことについて、「茶色く染めるのはダメなのに、黒く染めるのはいいんですか」「矛盾を感じる」などと、現役教師と中高生たちが実際に議論する様子が描かれている。
生徒縛って管理したい学校側
「スッキリ」が東京都内で高校生に聞いたところ、「髪色とか髪形とかは制限しなくてもいいと思う。髪色が派手だから中身が派手とも限らないし、個性の一部だから」「昔とは違うので、今らしい髪形を学校で取り入れてくれてもいいのかなと思います」など、多くの生徒が髪形校則に疑問を呈した。
各校は髪形に関する校則を独自に定めている。「スッキリ」の調査では、髪形校則が厳しくなり始めたのは、ツッパリやスケバンがブームになった1980年代からで、パーマや整髪料、染色や脱色の禁止を明言するようになった。
現在でも、「脱色、染色、パーマを厳禁とし、極端なカットや髪型にはしないこと」(私立高)、「高校生らしい髪形になるように努めること。そり込みなど流行の髪形は禁止する」(私立高)、「ドライヤーなどで明らかに茶色く変色した場合も指導の対象」(私立高)、「生まれもって髪の色が明るい場合に地毛届を提出」(公立高)などの校則がある。
教育評論家の石川幸夫さんは髪形校則の理由について、(1)社会でも規則を守れるように(2)学業に専念するため(3)生徒を管理しやすくするため、という3つを挙げる。
先生たちも9割が「あんな校則は変わるべき」
坂口孝則(経営コンサルタント)「80年代、90年代には合理性があったのかもしれませんが、今は学校だけで厳格化するのは理由がないと思います。ただ、校則の厳格化には、風紀が乱れるからという地域からの苦情もあるので、学校だけが悪者ではありません」
下川美奈(日本テレビ解説委員)「私が通っていた高校は髪形が自由だったので、私はパーマをかけていました。自由には責任が伴うということを先生によく言われました」
司会の加藤浩次「子どもがいろんな髪形をして自由に動き出すことが、先生は怖いんですよね。全部一緒にして安心したい。親もそうです。子どもがどうして違う髪形をしたいのか、対話があればいいんじゃないかな」
教師たちに聞いてみると、87%が「髪型校則は変わっていくべき」と回答したデータもある。