都営大江戸線・勝どき駅では、もはや名物となっているのが朝の大ラッシュだ。ホームに人が溢れ、狭い階段を通過して地上に出るまで十数分かかる。このエリアにはここ数年でタワーマンション、商業施設、オフィスビルなどが次々と立ち、人口は10年で倍増した。
勝どき駅は1日10万人が利用し、2月(2019年)にホームを増設したが、大混雑は解消していない。
そんな混雑対策として、読売新聞は「銀座から臨海部へ、都が新地下鉄」と報じた。総事業費2500億円で、新銀座→新築地→勝どき・晴海→新市場→新国際展示場(すべて仮名)を通すという。小池百合子知事は「これは一つの考え方。重要性は認識しているが、熟度には至ってない」と、まだ検討中であるとしている。
勝どき・晴海人気が終わったら「無用の長物」にならないか
作家の吉永みち子「副都心線が最後の地下鉄と思っていたけど、また作るのね。同じ場所にBRT(バスを基盤とした大量輸送システム)の計画も進行している。地下鉄建設は何年もかかるものなので、二重投資にならないようにしてほしいですね。
海の下を通す工事は地下40メートル掘ることになるから大変。フレックスタイム制を使うとか、ほかの対策はないものか検討する必要もあるんじゃないかしら」
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)「勝どき駅はまさかこんなに人が利用するとは予測できなかったのでしょう。公共交通はいつも後付けですが、10年後にこの地区に人がいなくなることだってありうる。計画性がないよ」
人口減少の中で、例外的に人口が急増しているからといって、場当たり的な対策では後世に負担を残すだけだろう。慎重な計画立案が必要なこと、言うまでもない。