塚田一郎・国土交通副大臣の「忖度発言」は、語るに落ちるとしか言いようがない。安倍総理と麻生副総理の地元なので、下関北九州道路を国の直轄事業にして予算を付けた。2人への忖度だ――とぬけぬけと利益誘導を自慢したのだ。
問題発言は今月1日(2019年4月)、北九州市で開かれた福岡知事選の集会で出た。塚田氏は元は麻生氏の秘書だった。演説の前には、「麻生太郎命で、筋金入りの麻生派でございます」といっていた。
国会で追及されると「ぜんぶ口から出まかせでした」
本州と九州を結ぶ道は、関門トンネルと関門橋しかない。下関北九州道路は第3のルートになると期待されていたが、2008年に財政難で計画がストップした。これについて、圧力があったと、塚田氏は実名を挙げて話していた。吉田博美参院幹事長と福岡選出の大家敏志参院議員がやってきて、「塚田、わかってるな。総理と副総理が地元の事業だ」と言ったというのだ。
野党から追及された塚田氏は衆院内閣委で、「事実と異なる発言によりまして、ご迷惑をおかけしました」と頭を下げた。「事実と何が異なっているのか」(立憲民主・初鹿明博議員)と追及されると、「忖度したことはございません。特別配慮もございません」と否定した。安倍首相も発言撤回を是として、罷免しないとした。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト