天皇、皇后両陛下がワルツを踊る映像が出た。2013年の晩餐会での映像で、これを皮切りに2週間に渡り、天皇ご一家の「10の秘話」を放送する。初回の1日(2019年4月)は、「未来の天皇を育てる、両陛下のご決意」、つまり皇太子教育の数々だ。
美智子さまの育児メモから「ナルちゃん憲法」
皇太子さま(現天皇陛下)と美智子さまの結婚は、1959年4月10日。翌年2月、浩宮さまが誕生。皇室史上初の病院での出産だった。さらにお2人は新しい子育てを始める。皇室の伝統だった親子別居を破ったのだ。
3歳から親と離れて育った皇太子さまはこの時、「別々の生活をしていると、心の安らぎというのがない」と語った。帝王学を学ぶためで、家族と会えるのは週に1回だった。
美智子さまも「両親が少しでも早く子供の個性とか発達の型とかを見極めて、深い愛情と忍耐とを持って、子供の心を大事に、大事に育てていくことだと思います」。乳母制度もやめた。
ご一家は、1968年から9年間、夏休みを浜名湖で過ごす。舟遊び、水遊びをするご一家の映像がたくさんあった。浩宮さまに水泳の手ほどきする皇太子さま、親子での遠泳は結構なスパルタ教育だ。
当時の西気賀小学校長だった中村千代子さん(98)はこう語る。「美智子さまが(学校の子供を)お預かりしますといって、『整列』『番号』と号令をかけていました。びっくりした」
美智子さまは、皇太子さまから「家庭を持つまでは絶対神ではいけないと思った」と聞いたとき、「これまでの見聞の中でも、このように寂しい言葉はなかったと思いました。温かい家庭をお作りしたいと思いました」といっている。
幼かった浩宮さまを残してご夫妻で訪米した時、美智子さまは育児メモを託した。「お昼寝は1人で、夜はベッドの脇について」「1日1回はしっかり抱いてあげてください」など、のちに「ナルちゃん憲法」と呼ばれた育児メモは、子育て中の母親から絶大な支持を得た。