神奈川県川崎市の許可外幼稚園「A.L.C.貝塚学院」は25日(2019年3月)に卒園式を終えた翌日、突然、保護者あてにメールを送り、「4月以降の事業継続ができない状態」と破産を通告した。
A.L.C.貝塚学院は1976年に開園し、英語やスポーツなどの幼児教育に力を入れ、約300人の園児が通う人気の幼稚園だった。閉鎖の理由は「少子化で入園児が減少し、先月閣議決定された認可幼稚園無償化が追い討ちをかけた」と説明している。A.L.C.貝塚学院は無償化の対象外だった。
教育評論家の石川幸夫氏は「(無償化の影響は)口実ではないか。待機児童もまだ多い中、英語教育に力を入れるなど、無認可でありながら、非常に歴史がある園です。多少高くても人は来るはず」と話す。
保護者たちは、「今年、娘は年長になります。途中からでは受け入れてくれる園はもうないのではないでしょうか」「青天の霹靂。仕事にいけなくなってしまう」など困惑の様子だ。神奈川市には保護者から数十件の相談があり、「今後対応を検討したい」と話す。
保護者はすでに入園金など払い込み
4月入園予定の保護者は1月に、入園金9万円、試験料8000円、一口5万円の債権を2口(10万円)など20万円近くを支払っている。債権については、入学時に購入し、3年後に約6000円の利子をつけて返すとしていた。
日本テレビ報道局社会部デスクの下川奈美「ビックリです。保護者によると、5~6年前に卒園した子のときは、債権は利子がついて返ってきていたそうですが、寄付金ではなく債権というのはなぜなんでしょう。川崎市側も私立なので把握できていないといいます」
坂口孝則(経営コンサルタント)「学校債権の仕組みなのだと思いますが、3年で6000円なら、優良企業であれば銀行から借りたほうがいいはず。会社が倒産すると、まず税金、続いて職員の給与を支払い、さらに財産を処分してやっと債権者に支払うことになります。保護者が支払ったお金が返ってくる見込みは少ないと思いますね」
近藤春菜キャスターが言うとおり、「もっと前から倒産はわかっていたはず」だろう。
A.L.C.貝塚学院の運営母体は、別法人で、水泳、バレエ、体操、英会話などを教える「A.L.C.アルファウイング」も展開している。