超人気観光地の鎌倉で「食べ歩き自粛」条例施行へ 市民は喜ぶが、観光業者は大弱り

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   人気観光地の神奈川県鎌倉市で「食べ歩き自粛条例」が4月1日(2019年)から施行される。観光客にとっては、だんごやソフトクリームの食べ歩きは醍醐味だが、迷惑行為という苦情もあり、観光客、店舗、市民、それぞれに困惑と賛成の言い分があるようだ。

   正式には「公共の場所におけるマナーの向上に関する条例」案で、22日(2019年3月)に市議会で可決された。その趣旨は「狭い場所や混雑した場所での食べ歩きが他の人の服などを汚すおそれがあり、迷惑行為になるので自粛を促す」というもの。食べ歩きを「禁止」ではなく、「自粛を促す」ことなので、「罰則」はない。目的はマナー向上だという。

観光客「食べ歩きが鎌倉の醍醐味なので残念」

   鎌倉は年間2000万人の観光客が訪れる。鎌倉駅から鶴岡八幡宮までの約350メートルの小町通りには約250店舗がひしめいている。平日でも、多くの観光客で混在している。

   リポーターの阿部祐二がきのう25日(2019年3月)、訪れた。「脇を人が通る、大丈夫か、大丈夫か」。食べ物が隣の人の服にくっつくのではないかと、つい心配になる。レンタルの着物を着ていた女性は「汚れた場合のために保険に入っている」と話した。

   条例賛成派の住民は「家の周りにゴミを捨てられ、迷惑しているのでうれしい」。衣料品店も「商品にシミがつけられたり、食べカスが店内に落とされたりするので良かった」。  一方、困惑派の観光客は「食べ歩きが鎌倉の醍醐味なので残念」、飲食店も「食べ歩きの商品がメインなので食べ歩きをしてほしい」。

   司会の加藤浩次「こういうケースが多いですね。マナーの悪い一部の人がいると、自治体にクレームがいく。自治体は条例か何か規制をする。結局、一部の悪いマナーの人によってルールをつくられ、どんどん楽しくなくなる方向になっていく」

   ロバート・キャンベル(国文学研究資料館)「小町通りを『食べ歩き特区』にすればいいと思う。ポイ捨てをしたら罰則をつけて」

   加藤「マナーを破った人だけをバシッとやるというわけですね」

   阿部「取材しましたが、観光客が減ったら死活問題になります。条例が正しく理解されないと大変なことになるという認識はあります」

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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