24日(2019年3月)未明、茨城県土浦市の駐車場から2台の車が盗まれた。電子ロックのスマートキーの電波を逆用した「リレーアタック」と呼ばれる手口で、盗まれる様子が防犯カメラに写っていた。しかも、車の持ち主(キーの場所)との距離が大きく離れていることから、新技術が使われた可能性が高いという。
ボートを引いたランドクルーザーが被害に
「ビビット」は、事件現場にあった4台の防犯カメラ映像を入手した。これらを解析した結果、明らかに「リレーアタック」だった。
午前零時を回った頃、1台の黒い車が駐車場に入ってきた。被害にあった車に横付けし、降りてきた男が、「標的」の車の運転席近くにかがみ込む。2分後にロックが解除され、もう1人が車に乗り込んだ。1分後、黒い車とともに走り去った。
さらに1時間半後、戻ってきた黒い車がもう1台の「標的」に横付け。5分後、これも盗みだされた。車は2台ともランドクルーザーで、ボートを引いていた。持ち主たちは駐車場前のホテルに泊まって、釣り大会に参加する予定だった。
被害に遭った1人は「ボートが付いて、普通では運転できないので、油断していた」という。もう1人の被害者は「車が約1000万円。ボートが500万円、釣り用の道具類が400?500万円」という。
ボートは邪魔になったのか、2台とも放置されていた。しかし、ボートに積んでいた釣り道具はなくなっていた。
150メートルの遠くからも解錠できる新技術
「リレーアタック」は、車から出る微弱な電波を増幅させてキーに送り、キーからの戻り電波も増幅させて車に送って解錠する。2人の人間が中継するが、1人はキーの近くに寄る必要があり、これまでの例で最大は、家の玄関先から居室までの8メートルだった。
ところが今回の車の持ち主は、ホテルの2階と3階にいて、車との距離は20メートルと60メートルだった。従来の常識を大きく超える新技術が使われた可能性が浮上した。
海外では、車をロックした時、その電波を捉えて、スペアキーを作ってしまう機器の実験映像がネット上に公開されていた。この機器が「コードグラバー」というもので、車の近くにわからないように置いておくだけ。持ち主に近寄る必要もなく、複数のキーに対応できるという。距離は最大150メートルというから、スマートキーの車は全部アウト。防ぎようがない。
今回の事件を専門家は、「窃盗団の中ではトップレベルの犯行」という。
MCの国分太一「最近知ったばかりなのに、もう新しい技術が出てきた」
対策はというと、専門家は、4つのタイヤに違う鍵をかけるとか、ハンドルにロックをかけるとか、実質的な効果より手間がかかるということを犯人に見せつける方が効果はあるという。
国分「ここまでしますかね」
千原ジュニア(タレント)「あるいは、窓とかちょっと開けておいて、近くにいるよと見せかけるとか」
古谷有美アナが並べて見せたのは、キーの電波を遮断するポーチ、金属の缶、アルミホイルなどだった。タイヤロックといい、単純な初歩に戻るのがいい?