コカインを使用した疑いで12日(2019年3月)に逮捕されたピエール瀧(本名=瀧正則)容疑者(51)が、「20代のころからコカインや大麻を使っていた」と供述していることが明らかになった。
所属する「電気グルーヴ」で最大のヒット曲『Shangri-La』を発表したのが29歳だが、この時すでに、違法薬物に手を染めていたと考えられる。
また、瀧容疑者は自宅を捜索された際、尿検査に応じる前からコカイン使用を認めていたことも新たに明らかになった。厚生労働省麻薬取締部は、逮捕の2日前、10日に大阪で行われたライブでも瀧容疑者がコカインを使用した疑いがあるとみて調べている。
大ヒット曲『Shangri-La』の誕生時もコカイン使っていた?
またこの事件では、楽曲配信の中止、CDの回収・販売中止、出演番組の放送休止などの自粛ムードの是非も議論になっている。
音楽家の坂本龍一さんは「なんのための自粛ですか?電グルの音楽が売られていて困る人がいますか?ドラッグを使用した人間の作った音楽は聴きたくないという人は、ただ聴かなければいいだけ。音楽に罪はない」とツイートした。
過去に薬物を経験し、現在は更生リハビリ施設代表を務める十枝晃太郎さんは、過剰な自粛ムードによって瀧容疑者の更生の道が閉ざされることを懸念する。「僕らは(薬物依存を)病気として考えている。報道でつるし上げされ、作品もすべて回収、配信中止にされると、回復の芽をつんでしまう。本人にとってチャンスが全くない状態になってしまう」と話す。
司会の小倉智昭「僕はずっと坂本さんと同じ意見です。番組でドーピングと同じだという意見もあったが、ドーピングで資格をはく奪されても、出場したレースは成立する。ベン・ジョンソンは金メダルをはく奪されたが、五輪での100メートルのレースはいまだに流れる」
古市憲寿(社会学者)「これが殺人とか性犯罪とか被害者がいる事件ならば話は別ですが、薬物の場合は直接の被害者は本人以外にいない。結局、テレビ局もレコード会社も先に自粛することで批判をかわそうとしていますが、自粛の理由までちゃんと突き詰めて考えていない」