電気仕掛けで筋力アップ、東京五輪で金メダルをとる選手が出たら応援できるか? 夢物語ではない、最先端スポーツの現実だ

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脳への微弱電気でパワーリフティングの記録が大幅アップ

   さらに脳の運動野を微弱電気で活性化させ筋力をパワーアップする装置もできている。パワーリフティングの選手でベンチプレス125キロの世界記録を出したエミリー・フー選手が2年前からトレーニングで使用し、スクワットの限界132キロをこの装置で163キロまで挙げたという。

   武田が「効果のほどはともかく、電気の力でパフォーマンスを上げるってアリ、ナシ?」という問いに、石井さんは「人間ドラマを書くノンフィクション作家としては面白くない。オリンピックのマラソンを裸足で走ったアベベが金メダルを取ったが、そこにドラマがあった。そうしたドラマを消してしまうので面白くない」と語った。

   大野教授も「脳はまだ科学ではわからない領域です。数か月、数年間使い続けることによる弊害の可能性はあり得ます」と指摘する。

   電気仕掛けの人形のように、電気に頼って筋力アップし東京五輪で金メダルを取る選手が現われても面白くはないし、拍手する気にはなれない。

   英科学雑誌『ネイチャー』が「電気刺激は脳へのドーピングではないか?」と問題提起しているが、さてIOC(国際オリンピック委員会)はどんな答えを出すのか...。

   文・モンブラン

   ※NHKクローズアップ現代+(2019年3月13日放送「早く治ってパワーもアップ ちょこっと電流」)

文   モンブラン
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