ミュージシャンで俳優のピエール瀧容疑者(51)の逮捕で、テレビ、映画、CM関係者は対応に追われている。NHK大河ドラマ「いだてん」はすでに24話(現在10話まで放送)まで撮影を終えていて、17日(2019年3月)の放送分には瀧の出演シーンがないためそのまま放送予定という。しかし、24日の放送分には主人公と会話する重要なシーンが入っている。
4月5日公開予定の映画「麻雀放浪記2020」に科学者役で出演しているが、制作した東映は公開延期か中止、出演箇所のカットなどを検討中という。5月公開予定の映画「居眠り磐音」はきょう14日の試写会を中止し、瀧の出演部分を撮り直すことに決った。
巻き添え食った関係者 たまったもんじゃない
司会の小倉智昭は「作品って、自分だけで作るものではないですよね。それに関わる人がどれほどいて、それで生活している人もいる。それをすべて無にしてしまっていいものかどう」と疑問を呈した。
山田秀雄弁護士は「(瀧が)出演している作品について、放映するのは法的に引っ掛かるわけでありませんが、社会的影響や教育的配慮もあって自粛しているのが今の現実です。多くの人の労力がそこに投入され、まして過去の作品について、それ(コカイン使用)によって本当に傷つくのかという問題が根本的にあります。すべて自粛で対応するのがいいのかは、ちょっと疑問を感じます」と言う。
瀧の逮捕で関係者への損害賠償は10億円とも30億円とも言われている。擁護論に出てくる背景には、損害を被る関係者があまりにも多いことに加えて、
逮捕される芸能人があとを絶たないということもあるのだろう。