神奈川県内で外来種の台湾原産クリハラリス(タイワンリス)が繁殖し、住宅地、農家、神社などいたるところで悪さをしている。その数10万匹といわれ、かわいいからとエサをやったりしたことで増えたらしい。
タイワンリスは生態系などに被害を及ぼすとされ、2005年に特定外来生物に指定された。年間を通じて繁殖し、生息地は東京都との境まで広がっているという。
源頼朝ゆかりの神社もかじられピンチ
被害は深刻だ。三浦市のみかん園ではかじられた多くのミカンが地面に落ちていた。経営する石井孝太郎さんは「100キロ以上食べられています。なんのために育てたのか。迷惑ですね」と怒る。捕獲用のワナも設置しているが、「リスもバカじゃないので、どんどん入ることはない」と話す。
源頼朝ゆかりの佐助稲荷神社では、境内の一部がリスにかじられている。伸びた歯を削るため、木の皮をかじるのだ。鎌倉市の住宅地では、電線や屋根の上を走りまわり、電線やインターネットケーブルがかじられ、停電やインターネットが通じなくなる被害が出ている。
横須賀市が設置したワナには、毎週100匹程度かかるというが、繁殖の速度には追い付いていないという。
間もなく県境越えて東京に進出
この事態に、日本哺乳類学会は神奈川県に対し、「このままでは隣接する都県にまで生息域が広がり、深刻かつ多大な被害が生じると考えられます」と、分布拡大防止の対策を求める要望書を出した。
同学会の林典子研究員は「鎌倉などの観光地で観光客が手からエサをあげることが多く、リスが人間に慣れてしまったことが(増殖の)原因となっています」と指摘する。「リスの生息地は北上しており、東京にも同じように入ってきます。今が最後のチャンスではないでしょうか。のんびりしていられません」と警告する。
テリー伊藤(タレント)「もともといたニホンリスが、タイワンリスに駆逐されてしまうという可能性もありますよね」
司会の真矢ミキ「私たちにできることは、とにかくエサをあげないということです」