ホーキング博士 最後の問い「AIが人類にもたらすのはこの世の最善か?最悪か?」遺作で挑発

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   「AI(人工知能)の到来は、人類史上最善の出来事になるか、または最悪の出来事になるだろう」

   第2のアインシュタインといわれた車椅子の天才物理学者、スティーブン・ホーキング博士は、昨年3月(2018年)に亡くなる直前にこう語った。その最後の著作が出版され、大きな反響を呼んでいる。タイトルは「BRIEF ANSWERS TO THE BIG QUESTIONS」、人類が抱える大きな疑問に簡潔に答えるという。

   人類が抱える大きな疑問とは、「神は存在するのか」「宇宙には人間のほかにも知的な生命体は存在するのか」「人間は地球で生きていくべきなのか」などだ。

自分自身の意志を持ち私たちと対立するだろう

   博士は21歳のとき、全身の筋肉が動かなくなるALS( 筋萎縮性側索硬化症)と診断され、人工呼吸器を使い、わずかに動く頬の筋肉でコンピューターを操り会話をする生活になった。そうした困難の中で大きな業績を残す。

   専門は宇宙物理学。宇宙の始まりビッグバンはどのように起こったのか、あらゆる物質を飲み込んでしまうブラックホールの内部はどのようになっているのか、頭の中で数式と理論を組み立て探っていき、物理学の常識を次々塗り替えていった。

   46歳にときに出版した「ホーキング宇宙を語る~ビッグバンからブラックホールまで~」は1000万部を超えるベストセラーになり世界中に知られる時の人になった。

   晩年の博士は専門外の領域にも強い関心を持つようになり、思索を深めていった。それがAI 、「人工知能は人間より賢くなるのか」だった。次のように分析している。

   「AIの潜在的恩恵はとてつもなく大きい。病気や貧困を撲滅できるかもしれない。だがAIは危険も招くだろう。気がかりなのはAIの性能が急速に上がって自ら進化を始めてしまうことだ。遠い将来、AIが自分自身の意志を持ち私たちと対立するようになるかもしれない

   大胆な仮説を提示し、議論を喚起させて答えを模索するのがホーキンススタイルだ。博士の残したメッセージをどう読み解き、どう応えていけばいいのか。

文   モンブラン
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