中国原作と日本の高い技術で共同制作
日本との関係にも変化が見え始めている。これまでは原作は日本、アニメ制作の一部を中国が担う仕組みだったが、中国のアニメ産業が集積する大連では、最近は中国向けのオリジナル作品を制作したり、中国原作のアニメを日本で制作して中国で公開する動きも出ている。
東京都内で日本人と事業を立ち上げた「カラード・ペンシル・アニメーション・ジャパン」の鄧志巍代表取締役は、「日本で制作する優秀な作品を中国市場に出し、日中の懸け橋になりたい」と話す。そのために、家賃補助や残業少なめの労働環境を提供することで、高い技術のある日本のクリエーターを採用している。
合作の動きも始まっている。去年8月公開の「詩季織々」は、日中のスタジオが協力して制作、監督も日中共同、両国で同時公開されて話題になった。「日中映画共同製作協定」によって、日中合作映画は海外映画の上映制限の対象外になる。
漫画の表現スタイルも変わろうとしている。集英社は中国と同じ縦スクロールの漫画を募集したコンテストを開催した。集まった200作品から選ばれた上位5作品は、中国のポータルサイトでデビューできる。日本の漫画を英語やスペイン語に翻訳し世界同時配信するサービスも始めた。
細野編集長は「5~10年後に、漫画は今とは別のものになっている可能性もある」と話す。
武田真一キャスター「面白いものを競い合いながら作ってほしいですね」
*NHKクローズアップ現代+(2019年3月5日放送「どうなる?日本のマンガ・アニメ~中国 急成長の衝撃~」)
文
バルバス