「生きるのに精一杯という人が、見事な人生を送る」
本人の映像もある。TBSの「サワコの朝」で、「歳とるとね、着物なんか着ると帯が上がってきちゃう。歳をとると言うことは、たたずまいなのよ。小さくなるとか、骨を抜くとか、小さくなる気持ち。演じると言うのは、どういう気持ちでいるかと言うこと」
言葉はまだ続く。文藝春秋が2018年12月に出した『一切なりゆき』は、希林さんが残した154の言葉を集めたものだが、今77万部。石橋俊澄・編集担当は「僭越ですが、『ほんとに物好きねぇ』とおっしゃると思います」と笑う。
その内容......。「自分の変化を楽しんだ方が得ですよ」「世の家族が崩壊しないのは、女の粘り強さですよ」「人間でも、一回ダメになった人が好きなんです」「生きるのに精一杯という人が、だいたい見事な人生を送りますね」
スタジオにも言葉が出た。「もっともっとという気持ちをなくすのです」「年をとるって好きなの。若くなりたいなんて思わない」「驕らず、他人と比べず、面白がって平気に生きればいい」......
ところで、これらを紹介する古谷有美アナにMC・国分太一が「今日は起きられたんですね」という。古谷は「先週土曜日、ラジオ番組を寝坊して欠席するという、あるまじき過ちを犯してしまいました。申し訳ありません」と謝罪。「間違いをする人が好きと言ってくれたらいいんですが......」
希林さん、間違いなく言ってくれますよ。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト