24日(2019年2月日)、米軍基地である宜野湾市普天間飛行場の移設先となる、沖縄県名護市辺野古埋め立ての是非を問う県民投票が行われた。結果は「反対」が約72%に達し、投票資格者数の4分の1を超えたため、条例の規定に基づき総理大臣とアメリカ大統領に結果が通知される。
玉城デニー沖縄知事は「辺野古埋め立てに絞った県民の意志が明確に示されたのは初めて」と意義を強調するが、投票結果には埋め立て工事を止める法的拘束力はない。政府は「抑止力の維持には普天間基地の辺野古移設が唯一の解決策。結果にかかわらず埋め立てを進める」と一歩も引かない構えだ。
基地を巡り揺れ動く沖縄の民意に我々ができることは?
世界一危険な基地といわれる普天間飛行場。1996年に全面返還で合意したものの、その後移設先を巡って沖縄は長年揺れ動いてきた。2006年に辺野古への移設が合意されたが、09年には民主党政権の鳩山由紀夫首相による「最低でも県外」発言(翌年撤回)。13年に当時の仲井真弘多知事が埋め立て承認に転じたものの14年は反対派の翁長雄志氏が知事に当選。18年当選の玉城知事も辺野古への移設は絶対に容認できないとしていて状況は混迷。
県民投票はこうした状況を受けて行われた。
今回の結果を受け、安倍首相は「結果を真摯に受け止め、基地負担の軽減に努めていく。新しい基地ではなく移設」と県民の理解を得る努力を重ねていく考えを示している。
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「ある意味予想された結果だ。気になるのが52.48%という投票率だ。前回の、1996年に実施した日米地位協定の見直しと米軍基地の整理縮小の賛否を問う県民投票の投票率59%より下がっている。賛成・反対・どちらでもないという3択だったことも関係するのではないか」
そして、「どちらでもない」は「どちらかといえば賛成」「どちらかといえば反対」の両方を含むので、迷いや戸惑いがあったのではと推測する。
橋本「今後は県と国で対立と混迷が深まることが懸念されます。玉城知事は工事中止を求めて法廷闘争も辞さないだろう」
司会の加藤浩次「米軍基地の7割が沖縄にあるのがおかしいんじゃないか。そもそもアメリカの基地の総数は正しいのか。半分に減らせるのか」
橋本「目に見える形で、基地を減らす努力していかないと『なんで沖縄ばかり』となる。理解を得るための努力が十分なのか。アメリカの基地が必要なら沖縄以外のどこが引き受けるのか。沖縄だけの問題ではなく我々に突きつけられている問題でもある。我々ももっと考えなければいけない」
みっちゃん