2月17日(2019年)、ロンドンで行われた高級ブランド「バーバリー」のファッションショーで発表された服が、SNSで非難を浴びている。モデルのリズ・ケネディが着用したパーカーのフードの紐の結び方が、絞首刑の縄や自殺を連想させ、ブランドとして配慮が欠けていると訴えたのだ。ケネディは「自殺した家族を思い起こさせる。この服を着る前にブランド側に訴えたが、話を聞いてくれなかった」と話している。
SNSではさっそく「自殺はファッションの表現じゃない」「これは大変なこと」「ブランドはそのメッセージの意図を説明すべき」などと書き込みが急増した。これについて、バーバリーは「ファッションは船員をイメージしたもの」と釈明し、「誠に遺憾」と謝罪した。
狙い撃ちされる有名ブランド!黒人差別のデザインと非難され販売中止
このところ、世界的ファッションブランドがSNSで批判を浴び、販売中止に追い込まれるトラブルが続いている。ドルチェ&ガッパーナの動画広告が中国の食事習慣をバカにしていると批判を浴び、中国で不買運動やファッションショー中止に追い込まれた。プラダの店頭に飾られた大きな赤い唇のキャラクターやグッチの顔が半分隠れるセーターの口元の赤い縁取りが黒人差別だとされ謝罪、販売中止になった。歌手のケイティ・ペリーがプロデュースした靴も人種差別と批判されて販売中止になっている。
ファッションジャーナリストの生駒芳子さんはこう指摘する。「SNS映えを狙った商法が流行していますが、それが今はネガティブに作用しているんです。今後、ファッションの自由さがそがれ、作り手が過敏になってしまわないか心配です」
下川奈美(日本テレビ報道局社会部デスク)「シャネルがかつてコルセットから女性を解放させたように、ファッションには時代を牽引し、時代を写す鏡であってほしいと思う部分があります。ファッションが無知、配慮に欠ける社会の表れになってしまっていると考えてしまいますね」
近藤春奈キャスター「ファッションはアートで表現の自由は大事なんですが、なんでその作品を作ったのか、その意図が説明できないといけないと思うんです」
ジャーナリストのモーリー・ロバートソン「ファッションは時代の先端を行く破壊力や想像力が求められるので、絶えずストリートファッションやアンダーグラウンドなカルチャーのファッションを引き上げていくものといえます。悪趣味という趣味があるのは事実ですが、企業がそれをやるならば、批判されたときに切り返せるくらいでないとダメだと思います」