「バイトテロ」徹底的に懲らしめろ!いや、待遇改善で防げ・・・どっちが正論?

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    さばいた寿司ネタをポイとゴミ箱に捨てて、それをまたまな板に乗せる動画がネットに載り、瞬く間に拡散した。出どころの「くら寿司」の株価は一時7.6%も下がった。「すき家」「バーミヤン」「セブン-イレブン」「ファミリーマート」「ローソン」「カラオケBIGECHO」も同じようなバイトテロ「被害」にあった。

   各社・各店は刑事、民事で法的措置をとるという。これについては賛否があるらしい。企業のコンサルタントをしている桑江令さんは、「SNSにアップするのとやった行為は違う。行為は許されない」「過失責任ではなくて、悪ふざけまで企業が責任を負うべきか」「賠償を求めるのは、大きな一歩だ。これまでは企業が泣き寝入りだった」と主張する。

   これに対して、労働問題を扱うNPO代表の藤田孝典さんは「企業の管理・監督責任を問い、教育を徹底すべきだ」「待遇が業務に追いついていない」「個人に責任を負わせて欲しくない」という。

   番組へ280通の声が寄せられた。バイト側からは「やってられない気分はわかる」「最低賃金で働いて倫理感はない」「責任ある社員の不足が改善されないと、何度でも起こる」

   経営側からは「しつけ以外にない」「最低でも賃金は払っている。罰を与えないといけない」「店がアルバイトだけになるのは仕方がない」「責任者が休日も休憩も取れない状態。さらに責任をいうのは気の毒だ」

インスタ・ストーリーズで簡単に動画撮影・拡散

   NHKネットワーク報道部の管野彰彦記者は「(動画投稿の)SNSがツイッターからインスタグラムに変わった」と指摘した。24時間で自動的に消える「ストーリーズ」という機能が多く使われた。仲間内の気軽なやりとりに使われるものだ。

   ところが、これを複数のネットユーザーがコピーして、自分のアカウントで発信していた。このため、元画像を削除すればコピーも見えなくなったものが、いつまでも残ることになった。さらに、炎上させる目的の専門アカウントも複数加わっていた。

   とはいえ、どこまで責任を問えるのか。管野記者が複数の弁護士に聞いてみると、過去にあった和解の前例から、数百万円単位の損害賠償になる可能性があるという。刑事責任では威力業務妨害、偽計業務妨害がありうる。ただ、炎上の責任を問うのは、たまたまの場合は難しいだろうという。

   武田真一キャスターが「再発防止策」を聞いた。桑江さんは「待遇改善と並んで、アルバイトに会社を好きになってもらうこと」と言った。藤田さんは「消費者にも、安いものにいいものはないと理解してもらうことだ」と話した。

   一罰百戒で、厳しい判決が出たら気がつくのだろうか。

   *NHKクローズアップ現代+(2019年2月14日放送「"バイトテロ"の深層~なぜ無くならない?不適切動画~」)

文   ヤンヤン
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