アパート建設大手のレオパレス21が建てた延べ1324棟のアパートに建築基準法違反の疑いが出て、住民1万4000人以上が引っ越さなくてはならなくなった事件に新たな問題が浮上した。
不良施工物件の中に「図面より燃えやすいケースがあることがわかりました」と司会の羽鳥慎一が報告した。火に強いグラスウールを使うべき外壁に、実際には耐火性の良くない発泡ウレタンを使っていた。なぜそんな危険な部屋をつくったのか。
工期を早くするために耐火性の低い素材を
不動産コンサルタントの長嶋修さんは、グラスウールだと作業に時間がかかるのに対して、発泡ウレタンなら他のボードと一緒にすぐに取り付けられる点を指摘する。「それだけ工期を早くでき、人件費を削減できます」という。レオパレス21の経営陣は「作業効率を上げるため、現場の判断」と、知らなかったことを強調している。
青木理(ジャーナリスト)「上層部が知らないとは考えられない。仮にそうだとしても経営責任がある」
菅野朋子(弁護士)「初めから決めていたとしたら、詐欺の可能性もあります」
そうでなくても、入居者やオーナーに対する補償問題が起きる。レオパレス21などの賃貸アパート業者は、都市近郊を中心に土地の一括借り上げで単身者や小家族向けのアパートやマンションを建ててきたが、その実態が浮き彫りになった。
玉川徹(テレビ朝日社員)「立地の良くない場所にも、所有者に銀行からカネを借りさせて建てる。もともと建ててもやっていけない土地なのに。世の中、あまりうまい話はないということです」
そうしたオーナーの「被害」も問題だが、その前にまず入居者の安全と生活を守らなければいけない。きのう11日(2019年2月)のテレビ朝日「ニュースステーション」ではレオパレス21だけでなく、耐火性の危険をわかっていたはずの施工業者や、建築確認を出した行政の責任も追及していた。
玉川「補償以前の部分として、建物の補強などを当然やらなければいけない。一括借り上げのアパートはいろんな問題がある」