今年のグラミー賞の授賞式が10日(2019年2月)に行われ、日本人クリエーターのヒロ・ムライさん(36)が手掛けた作品が最優秀ミュージックビデオ賞を受賞した。ラッパーや俳優で活躍しているチャイルディッシュ・カンビーノさんの曲「This Is America」で、アメリカ社会を風刺していると話題になっている。
アメリカの銃社会の現実を訴える
冒頭、ガンビーノさんはズボンからピストルを取り出すと、男性の頭を撃ち抜き、「これがアメリカだよ。油断すんじゃねえ」と訴える。2015年のサウスカロライナの教会での銃乱射事件や、2018年3月のカリフォルニアでの黒人男性が警察官に射殺された事件など、実際の事件を連想させるような表現もある。現在、ビデオは動画投稿サイトで再生回数4億8000万回以上。
ムライさんの父親は「翼をください」などを作曲している音楽プロデュー村井邦彦さんだ。ムライさんは1983年、東京で生まれた。9歳でロサンゼルスに移住し、大学卒業後、多くのミュージックビデオを手掛けている。2016年にはテレビでガンビーノさん主演のコメディドラマ「アトランタ」の監督を務め、ゴールデン・グローブ賞を受賞し頭角を現した。
ヒロ・ムライさんは「私の両親はこのミュージックビデオの制作に関わっていませんが、私を産んで育ててくれたので感謝します」と述べた。
司会の加藤浩次「お父さんは『翼をください』を作った人なのですね」
キャスターの近藤春菜「すごいですね。私は洋楽には疎かったのですが、見てみると、衝撃的でした」
ロバート・キャンベル(国文学研究資料館館長)「見どころ満載です。アメリカ人でも3回ぐらい見ないと分かりません。背景に起きている凄まじい状況とガンビーノの踊り、いろんな解釈があって、3層、4層の構造になっています」
加藤「次の作品が楽しみです」