山口県周南市で3年前に県立高校2年の男子生徒(当時17)が自殺した問題を、県の調査検証委員会が再調査し、自殺の要因として、生徒によるいじめのほか、複数の教員による「5項目のいじめに類する行為があった」と認定した
男子生徒は駅構内で貨物列車にはねられ死亡した。「いじめに類する行為」とはどういうものだったのか。
男子生徒が強く嫌がったのは、所属する部活顧問の教員が用具の片づけなど雑用を、自分一人に押し付けられることだった。「(友人に)雑用を押し付けられることは嫌いだ」と話していた。他の教員も全校生徒の前や授業中に身体的特徴を揶揄したあだ名でからかったという。
山口県教育委員会はこうした教員によるいじめを「いじり」と言い替え、「いじめのみを自殺の要因と考えることはできない」と結論付けていた。有識者でつくる検証委は「教職員によるいじめに類する行為が是認されたものと生徒が受けとめて同調し、次のいじめを生み出す端緒になった可能性がある」と断定している。教師の行為がいじめを煽ったと判断したのだ。
「愛情があれば許される」は勝手な言い訳
コラムニストの深澤真紀はテレビにも責任があるとこう批判した。「バラエティー番組で、『おいしくしてあげる』とか『いじる』とか言っています。愛情があればいいといいますが、結果的には(いじめの)お手本になっている。そろそろ考えないといけないと思います」
伊藤利尋キャスターは「いじっていい相手とわるい相手を見極めるのも、先生に求められているのではないでしょうか」と頓珍漢なことを言い、深澤は「先生がいじっていい人はいませんよ。バラエティーとは違うんですから。いじる側は自分が面白くなろうとしているわけで、教員がやることでない」と強く反論した。深澤の言うとおりだろう。