千葉県野田市の小学4年生の栗原心愛さん(10)をなぜ救えなかったのか。リポーターの阿部祐二が過去にDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けていたという女性に実態を聞いた。
「それまでニコニコしていたのが、何かの拍子でころっと変わって、外でも殴られたり、家でも蹴られ、殴られたりと」
夫から20年にわたりDVを受けてきた40代の女性は、今は別居して子どもと暮らしている。DVを受けていた頃は、「自分の足りないところ、できないところを指摘して怒るので、洗脳に近い形だったと思います。私にはこの人しかいないんだと思っていました」と話す。
娘が生まれ幼稚園に入ると、夫の暴力は妻から娘へ向かうようになった。「私が殴られたり蹴られたりすると、私と主人の間に入って、お母さんをいじめないでというと、それが腹立たしくて娘にも手を出すようになってきました」
児童相談所などに相談しなかったのか。「親にも兄弟にも誰にも言えませんでした」という。
「娘が暴行受ければ自分は助かる」
心愛さんの事件で逮捕された母親(31)は、「娘が夫から暴行を受ければ、自分は暴行されずにすむと思った」と供述しているが、それについて「わかるな、というのがありますね。私が止めることによって、よりひどくなるんです。しつけで怒っているのに、なんで止めるんだというのです」
結局、女性は暴力の対象が娘になったことが耐えられず、DV被害にあった母子などを保護する民間シェルターに逃げた。
女性の同意で、インタビューに夫が同席した。去年(2018年)夏からこの支援センターでカウンセリングを受けている。心愛さんの事件について、夫は「やっていることは自分と同じだと思います」と話す。虐待をしていると意識していたのか。「ここに通うまでなかったです。しつけだと思っていました」と語る。
司会の加藤浩次「本人は、DVをやっているという意識はないんですね。こういう事案が本当に多いですね」
宮崎哲弥(評論家)「家族は狭い、閉ざされている場所です。やはり、第三者の介入が絶対必要だと思います。そして、暴力をしている人と離れることです」