千葉・野田市で起こった栗原心愛(みあ)さん(10)死亡事件。傷害容疑で逮捕された父親の勇一郎容疑者(41)による虐待の疑いが濃厚だが、警察は昨日(4日)新たに母親なぎさ容疑者(31)も「共犯容疑」で逮捕した。夫から家庭内暴力(DV)被害を受けていたとも言われるのになぜ?
職場では温厚で人当たりも良かった父親
先月24日、心愛さんは父親に冷水を浴びせられるなどした末に死亡し、体には虐待のあざが多数あった。母親はこの時自宅にいた。警察はこれを虐待の共犯と解釈したとみられるが、供述内容は明らかにしていない。
事件の発端は2017年11月、心愛さんが学校のアンケートに「お父さんから暴力を受けている」と書いたこと。柏児童相談所が1か月半保護したのち、自宅に戻されたが、その際、野田市教委が父親の威圧に恐れをなし、アンケート内容を渡してしまった。
児相も心愛さんの聞き取りから、「お母さんが味方してくれる」「お母さんもやられていた」などとDVの証言を得ていながら、その後家庭訪問などしておらず、危機意識がなかったことを認めた。今年に入って長期欠席の届けを受けた学校も、「危険」のサインとは思わなかった。
栗原一家は、2017年8月まで沖縄・糸満市にいたが、この時すでにDVは知られており、親族から糸満市役所に届けも出ていた。しかし、今日(5日)発売の週刊女性によると、勇一郎容疑者は職場では、温厚で人当たりも良く、粗暴な様はなかったという。
同級生の話では、心愛さんは母親の話はあまりせず、赤ちゃんがいるためインタホンを鳴らすのを禁止されているとか、鍵がなくて家に入れないなどと言っていた。母親は心愛さんに十分な食事を与えていなかった疑いもある。
DV被害の女性は「抵抗しないこと」を学習する
心理カウンセラーの山脇由貴子さんは、「DV被害を長く受けた女性は、学習性無力感を抱く。抵抗すると殴られる、逃げても殴られる。じっと動かず耐えていることが一番被害は少ないと学習する」という。
母親は事件当日も自宅におり、警察は、夫の暴行を見過ごしたことを「能動的不作為」に当たると判断。同時に、自殺を防ぐ意味もあるとみられる。
MCの国分太一「能動的不作為?」
高橋知典弁護士「無視することによって加担していたということ。赤ちゃんを抱いて別の部屋へ行くだけで、結果的に夫の暴力を助けている」
国分「DVを受けていても共犯?」
高橋氏「子供を守れるのは、母親だけですから、責任はなくならない」
児童相談所全国共通ダイヤルというのがある。「189=いち早く」
高橋氏は「虐待かもと思ったら、まず連絡する。あとは児相がやります」
今回も、近所の人は子供の異常な泣き声を聞いていた。このナンバーを知ってすぐに連絡しよう。