厚生労働省が賃金や労働時間の調査を不正に行い、それをもとにした国の統計が大きく変わりそうだが、「私たちの生活にどんな影響を与えるんでしょうか」(司会の真矢ミキ)
毎月勤労統計調査は従業員5人以上の店や会社の賃金や労働時間を調べるもので、500人以上の事業所はすべて対象にすることになっているが、東京都内は3分の1しか調べていなかった。賃金が高い東京分の組み入れが少なかったことで、全国の平均賃金は実際より安くはじき出されていた。
平均賃金が低くなったことで、失業給付、育児休業給付、介護休業給付、労災補償などが少なく支給されていただけでなく、公共料金や事故の補償金も抑えられた。
アベノミクスも数字マジック!本当は実質賃金マイナスか
評論家の荻原博子さんは「統計調査は給料を決める時の参考資料に使われます。実質賃金はマイナスになる可能性もあります」という。
不正は2004年から行われていて、この間、安倍首相は5年連続の賃上げ、戦後最長の経済成長を強調してきた。
司会の国分太一「豊かといわれてもどうも実感がなかったんですが、実態がわかってきましたね」
堀尾正明キャスター「こういう数字のマジックがあったんですね」
秋山千佳(フリージャーナリスト)「ウソの上塗りで、何を信じたらいいのか。だれが何のためにこんな不正をやったのかもはっきりさせてほしいです」
今年(2019年)は、4月に統一地方選、7月に参院選、10月には消費税値上げがひかえる。そのために、官僚たちが首相官邸を向いて忖度(そんたく)したという見方もある。
堀尾「アベノミクスのもとになるものが信用できないと、自公政権に対する信頼がぐらついちゃいます」
荻原さんは「統計は日本経済の顔ですから、国の顔が整形だらけではいけません」と指摘している。