入浴シーンも見どころだけど・・・
見知らぬカップルに声をかけられた二人は、「売れない歌手とマネージャーです」と自分たちを説明し、「良ければCDあるんでいかがですか」と前のめりに営業するが、カップルは哀れみと困惑の表情だ。
それを見た桜庭が、みっともない営業はやめてくれと怒り出す。目の前で自分の商品価値のなさを見せつけられる桜庭の気持ちは痛いほどわかるが、「そのプライドの高さが邪魔だ」「過去の栄光にしがみつくなら今すぐやめてくれ」と啖呵を切る春子に、桜庭は思わず「オッサンのポテンシャルをなめんなよ」と切り返す。こうして、デコボココンビの夢追い旅は進んでいく。
元乃木坂46の深川の嫌味のない可愛さと芯の強さを感じさせる好演が目立つ。入浴シーンもサービスカットというよりは、きちんと物語として必要だから組み込まれたという印象を受ける。そして、一番のポイントであるボロ宿を「見せる」という試み自体も面白い。
主題歌の声のエモさも企画にピッタリはまっているし、全体でしっかりノスタルジーを作り込んでいく感じがたまんないなあ。
登場するぼろ宿はすべて実在していて、これから鍵になるのは、「レトロ可愛い」にとどまらない「ガチのボロさ」で、どこまで郷愁として魅力的に撮れるかだろう。次回以降に期待がかかる。(金曜深夜0時52分)
ばんふぅ