カワウソ人気で密輸も横行!運び屋は女子大生――スーツケースに10匹詰め込み

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密輸の黒幕はオレオレ詐欺組織

   インドネシアから正規に輸入したカワウソ16匹と触れ合えるカワウソカフェに、半年前、1本の電話が入った。カワウソを3匹を買わないかという若い男性からのだった。カフェのオーナー・長安良明さんは密輸の売り込みだと感づき、警視庁に通報した。

   3日後に訪ねてきた男を逮捕すると、男の携帯電話に残された電話番号が、過去にオレオレ詐欺のグループが使用した番号と一致した。男は裁判で"黒幕"の存在を認めたが、「怖くて言えません」と最後まで明かさなかった。

   警視庁生活環境課の福原秀一警部は、「特殊詐欺や金密輸などを行う"やくざ"の組織が介在しているのは間違いない」と話す。

   ノンフィクション作家の石井光太氏は「黒幕には反社会的存在か、それに類するグループがあるのは間違いないです。一般の人が運び屋をするのは、麻薬の密輸と同じ構図で、ネットでやくざにうまくリクルートされてしまっているからでしょう」と話す。

   警視庁の福原警部も「銃器や薬物とは違い、動物密輸は罪悪感のなさから、ついアルバイト感覚で乗ってしまう」と、心理的ハードルの低さを原因に挙げる。

   石井氏は「そうまでしてカワウソを手に入れたいと思うのは、社会に居場所がない"非社会"の人が増えているから。彼らはSNSで"いいね"をしてもらうことで自己肯定感を得られるんです。かわいい動物だと"いいね"は増えますから、お金がないのに100万円も出して買うわけです。やくざはそこに目をつけてビジネスにしている」と分析した。

   武田真一キャスターは「かわいいカワウソが、一般の人が闇社会とつながる接点になってしまっていることを受け止めないといけないですね」と指摘した。

*NHKクローズアップ現代+(2019年1月29日放送「追跡!カワウソ密輸事件 黒幕は誰だ?」)

文   バルバス
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