千葉・九十九里町の片貝海岸の防波堤に、謎の芸術家バンクシーの作品に似た絵が描かれているのが見つかった。描かれているのは、昨年10月(2018年)に競売で約1億5000万円で落札され、直後にシュレッダーで裁断されて注目を集めた「少女と風船」だ。
バンクシーは社会風刺的なストリートアートを世界各地にゲリラ的に描くという手法をとっており、本名や素顔は公表していない。東京・港区の湾岸防潮扉に描かれたネズミの絵がバンクシーの作品に似ていると話題になって以来、SNS上では全国各地から「もしかしてバンクシー?」という投稿が相次いでいる。
地元では2年前から知られてた
九十九里の絵は、地元の人によると2年ほど前からあったというが、きのう23日(2019年1月)に調査に訪れた千葉県銚子漁港事務所の戸村勝男所長は、「数日前に初めて聞きました」と話している。施設への落書きは違法となるため、今後、対応を検討するという。
同じような「少女と風船」に似た絵は、500メートル離れたサーフショップの壁面にも描かれているのが見つかっている。
片貝海岸の絵の前から大竹真リポーターは「けさも1時間に10人以上の人が写真を撮りに来ました。地元でも非常に話題になっています」と伝える。
本物なのか?東京藝術大学・毛利嘉孝教授「どうですかねえ」
九十九里の「少女と風船」は本物なのか。バンクシー作品に詳しい東京藝術大学の毛利嘉孝教授は、「バンクシーは初期の頃に比べると、最近はプロジェクトが大型化されて組織化されています。相当忙しかったと思います。2年前に千葉の漁港に行って描くかというと、描かないかなと思います」と疑問を呈した。
モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)「毒々しいのがバンクシーなので、われわれや九十九里の人が期待しているほのぼの感とは、ちょっと違うところにいるんですよね。でも、これを機にアートに興味のない人が九十九里まで行ってくれれば、バンクシーも嬉しいかもしれません」
司会の加藤浩次「パロディだったらダメ、ということでもないと思いますけどね。日本では落書きは違法ですが、地元の人が協議して残してもいいと思います」