アメリカ軍関係者を装った国際ロマンス詐欺で、福岡県警は22日(2019年1月)にナイジェリア人ら4人を逮捕した。埼玉県吉川市の解体自動車置き場のプレハブのアジトから、日本の中高年女性にメールを送っていた。SNSでイケメンの米軍人の写真を添付して恋愛感情を抱かせ、福岡県内に住む59歳の女性ら3人から合わせて880万円を騙し取った。
岡安弥生リポーターが逮捕された男の家族という女性に取材した。「事件については100%知らなかったですね。仕事ができないとか、お金がないとか、すごくストレスを私に訴えていた。追い詰められ、ついやっちゃったんだなと。
ショックを受けたと同時に、黒幕がいると確信しています。私の知り合いが関与しているんじゃないのかな。トカゲのシッポ切りで、下の人間だけが処罰されるのは困ります」と話した。
役割分担して何人もの男が登場
国際ロマンス詐欺に注意を呼び掛けているNPO法人にこれまで寄せられた相談件数は、500件以上にのぼる。なぜ簡単に騙されるのか。1200万円以上の被害を受けた40代の女性がその手口を明かした。
女性がメールのやり取りをした相手は、自称57歳の米軍医師。偽造した米軍のIDカード(身分証明書)を送ってきたので本物と信じたという。男は、国連の依頼を受けシリアで医療活動を行っていると言い、「アイ・ラブ・ユー」とか「ハニー」などと書いて寄越し、女性は「好意を持ってくれる人がいるのはとても光栄なこと」と思ったという。
その直後、男から「シリアの任務を遂行し莫大な金を得た。シリアで持っていると危険なので日本で預かって欲しい」と連絡してきた。このあと仲介会社のエージェントと名乗る男から、「税関での手続きに費用が掛かった。建て替え分を含め345万円を送って欲しい」と言ってきた。
さらに、「トラブルに見舞われた。税関に別の手続きをするのであと900万円払ってほしい」と連絡があった。女性は貯めていた預金のすべて、計1200万円以上を振り込んでしまった。
表沙汰にしたくないと泣き寝入り
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「恋愛が絡むと、『騙されているのに決まっている』とか、『いい年をして何やっているの』とか言われるので、周囲に相談しにくく、被害が広がっているのかなと思いますね」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「海を隔てたロマンスとかないですから。とくにお金が発生したら絶対にないですから」
表に出ていない被害はかなり大きいはずだ。