「情報商材」広告の裏に闇人脈
さらに、消費生活センターへの相談が急増しているのが、「スマホで簡単に収入が得られる」と金儲けのノウハウを教えたり、資料を買わせる「情報商材」と呼ばれるネット広告被害だ。情報商材を扱うある会社に消費者庁が聞き取り調査を行ったところ、広告に登場する「私もこれで稼いだ」という人は偽名で、体験談もすべて虚偽であることが判明した。この会社は半年間でおよそ6億4000万円の売り上げがあったという。
クロ現取材班がトラブルに遭った人に情報提供を呼び掛けたところ、たくさんの声が集まった。その中で目立ったのが、K氏という人物が出演している動画を見て購入したケースだった。K氏を直撃すると、「たしかにちょっと盛っているところはあるが、騙そうとは思っていない。自分はステージで歌う歌手の役割で、シナリオやコメントを考えるのは別のプロモーターだが、その人物の名は絶対に言えない」と話した。
情報商材ビジネスには、表に出てこない「黒幕」の企画立案者がいるのだ。かつてプロモーターをしていたという人物は、儲けは桁違いに大きいと嘯く。「1つの案件で10億円を売り上げることもある。社長や幹部はタワーマンションの高層階に住み、ランボルギーニなどの高級車を乗り回している。20代が圧倒的多数で、反社会勢力的な雰囲気があった」
消費者庁は、誰でも投資した以上に儲けられるという話は嘘だと疑ってほしい注意を呼びかけ、「消費者ホットライン(188)」に相談してほしいと呼び掛けている。集団訴訟を支援する「enjin」というネットプラットホームもある。
武田真一キャスター「広告の信頼性回復のため、業界を挙げて取り組んでほしいですね」
*NHKクローズアップ現代+(2019年1月22日放送「追跡!"フェイク"ネット広告の闇」)