中国各地で今、鉄道で他人の指定席を占領する「覇座(はざ)」と呼ばれるトラブルが社会問題化している。
中国鉄道警察は相次ぐ乗客トラブルを受け、先月(2018年12月)上旬から大規模な取り締まりを実施し、500人以上を摘発。これとは別に政府も対策に乗り出し、1800人に一定期間の鉄道の利用を禁じた。
というのも、2月5日(2019年)からは中国で最も大規模な大型連休「春節」が始まり、1週間の連休中には「民族大移動」と呼ばれる4億人の帰省ラッシュがあるからだ。
他人の指定席占拠、ご飯炊き、車内で傘、通路にごろ寝、出発妨害
番組では他人の座席に座り、乗務員や本来その席に座るべき乗客が注意しても逆ギレしたり、寝たふりしたり、のらりくらりとかわしたりする悪質な人たちの映像が流れた。
ほかも、車両間の通路で毛布にくるまって熟睡するグループ、荷物がぶつかってケンカになりビンタし合う男女、座席の下にあるコンセントを使って炊飯器でご飯を炊く女性、巨大な空気清浄機を持ち込む女性、車内で傘をさす女性、自分の都合で列車の出発を妨害する女性など、驚くべき映像が紹介された。
こうした映像は、被害者や乗り合わせた人がネットで拡散している。被害者は泣き寝入りすることも多いため、映像で加害者をネットでさらして社会的制裁を加えるからだ。
去年の春節には日本にも72万人の中国人観光客が訪れた。巻き込まれないよう注意したい。
青木理(ジャーナリスト)「観光客に関しては、はっきり言って『田舎者』というか、モラルがない人がいる一方で、マナーをわきまえた人もいる。地方はそれで潤っている部分もあるので一概に『中国の人はこうだ』とは言えないけど...」
菅野朋子(弁護士)「海外も含め、今どこにいても中国人がいらっしゃって、中国語だけの注意書きもある。『ルールを守る』というところでは、全体的には追いついてないんでしょうね」