小学2年生の娘へのいじめを苦に母子が無理心中した事件で、残された父親が23日(2018年1月)、仙台市などに調査を求める要望書を提出した。いじめは学校も把握しており、保護者とも再三にわたって話し合っていたが、学校も市教育委員会も事態の深刻さに十分な対応をしなかった、という言い分だ。
娘のメモに「しにたいよ しにたいよ」
いじめにあった娘のメモがあった。「しにたいよ しにたいよ いじめられてなにもいいことないよ」。さらに「しにたいよ しにたいよ」と繰り返していた。書いたのは昨年(2018年)8月。その3か月後の11月、母親と死んでいる姿が見つかった。娘は首を絞められており、母親は階段の手すりで首を吊っていた。
22日父親は会見し、「学校からも市教委からもさじを投げられ絶望しておりました。結局泣き寝入りなんだな、と2人でいっていました。娘の体調はどんどん悪化していきました」と語った。
いじめが始まったのは、娘が1年生だった昨年3月頃。近所に住み、毎朝一緒に登校していた2人の同級生から、無視されたり、睨まれたりした。両親がこれを知ったのは5月。母親はいじめや学校側の対応を記録していた。
それによると、登校時に置いて行かれたことが30回。ものを取ってこい、と命令されたり、たたかれそうになったり。担任に相談したが、仕返しが怖くて言えず、口止めもされていた。
母親は5月と6月、担任に相談したが、担任は子供同士の話し合いを勧め、当該の子供から「いじめていない」という答えを聞いていた。校長は、6月27日、「マニュアルに沿って対応する」といった。担任は、子供3人での話したいを提案したが、これに娘は「怖い」と言って泣き出したという。
娘は泣きながら「教室でみんなとワイワイしたい。勉強したい」といった。そして頻繁に体調を崩すようになった。7月から腹痛や頭痛で病院へ。また眠れなくなって、夜中に家族全員で起きていたこともあった。
7月から娘は「生きていていいことがない。死んでしまいたい」と、「死」を口にするようになった。これは校長にも報告され、校長は「迅速に対応する」といったという。