今、中国で日本製の温水洗浄トイレのパクリが大増殖している。
中国の通販サイトには、「ひっきりなしに洗浄」「伸縮パンツ」「ブランドのいいです いいです いいです」「ジリジリジリジクジ」「怠け者モード」「虹を吸う技術」など、意味不明の日本語とともに数々の便器が紹介されている。
「東日菱」のHPには下村元文部科学大臣の姿も...
「OJOJ」「湯川秀樹」「かわそ」など聞いたこともないメーカー名が並ぶ中、中国で特に有名なのが「杉本」だそうだ。中国では日本のブランドとして浸透しているという。商品紹介の動画ではカタコトの日本語が流れ、中国語の字幕がついている。
もちろん、日本での法人登記はなく、ニセモノのメーカーだ。
中国の消費者をだますためのサイト作りは手が込んでいる。
自称・トイレメーカーの「東日菱」のHPでは、「東京研究センター設立」という紹介ページに元文部科学大臣の下村博文衆議院議員の姿がある。
下村氏の事務所に「東日菱」との関係を問い合わせると、「まったく存じません。何の関係もありませんし、聞いたこともありません」との回答。画像は2015年に茨城県で行われた原発の廃炉研究センターの開所式のものを無断で加工したものだった。
自宅に知人を呼ぶ「洗浄トイレパーティ」が大ブーム
そもそも中国で日本製のトイレが注目されたきっかけは2015年の上海万博。日本館で、温水でおしりを洗う機能を体験できるスペースが大盛況となった。
習近平国家主席はその後、国を挙げてのトイレ革命を進めていった。それまでの壁もしきりもなかった通称「ニーハオトイレ」から個室化。3年間で7万か所の建設・改修をしてきた。
中国情勢に詳しい現代ビジネスコラムニストの近藤大介さんによると、中国では今、富裕層にもトイレ革命が起きていて、自宅に知人を呼ぶ「温水洗浄トイレパーティ」がブームになっているという。
一方、ニセモノ業者の多くが真似る日本のTOTOは「中国で水洗トイレを普及させるため約30年間事業を展開してきた。ブランドを侵害される行為は遺憾で、見つけ次第厳正に対処したい」とコメントしている。
石原良純(気象予報士、タレント)「訪日中国人の方に聞いたら、杉本トイレ知っていましたよ」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「とにかく、杉本トイレだけはなんとかしないと。大きいところからやめさせて波及効果を狙うしかない。それにしても、ジリジリジリジリって当たるシャワートイレはいやだなあ」
山口真由(米ニューヨーク州弁護士)「メーカーが長年の努力によって築いてきたブランドに乗っかって傷つけるのは法律上も問題。真剣に対処しないといけません」