冬ドラマのTBS系「グッドワイフ」(日曜よる9時)は、16年ぶりに専業主婦から法曹界に復帰し、世の不正義と戦う女性弁護士の活躍を描くストーリーで、初回視聴率は10・00%とギリギリ2ケタを確保した。このドラマが注目されているのは、久しぶりの常盤貴子主演というだけでなく、原作がアメリカのヒットドラマだからだ。
米放送局CBSの「The Good Wife」はシカゴを舞台にした法律・政治ドラマで、シーズン7まで続いた。日本版は独自の展開と結末が用意されているというが、ドラマの老舗「日曜劇場」までがアメリカのヒットドラマのリメークというのはいかがなものか。
オリジナル脚本の傑作を期待したい
近ごろは海外ドラマの「いただき企画」が少なくない。これまでも、去年(2018年)の秋ドラマ「SUITS/スーツ」(フジテレビ系)はUSAネットワークの同名ドラマ、「コールドケース~真実の扉」(WOWOW)はアメリカCBSの「コールドケース迷宮事件簿」、「グッド・ドクター」(フジ系)は韓国の同名ドラマ、「スニッファー嗅覚捜査官」(NHK)はウクライナの「スニッファー」、「HOPE~期待ゼロの新社員~」(フジ系)は韓国の「ミセン―未生」、「オーファン・ブラック~七つの遺伝子」(東海テレビ)はカナダの「オーファン・ブラック 暴走遺伝子」が原作だ。「絶対零度―未然犯罪潜入捜査」(フジ系)もCBSの「パーソン・オブ・インタレスト」が企画のベースになっている。
そして、ついにあの世界的なメガヒット、スピーディーな展開とドッグンドッグンと秒読みする効果音が印象的な「24 ―TWENTY FOUR―」(FOX)も、テレビ朝日が「24 Japan」として来年(2020年)に制作・放送するという。
リメイクが悪いというわけではないが、漫画原作ばかりに加えて、今度は海外ドラマの真似というのでは、日本のテレビドラマ制作者はなにをやっているのかと言われかねない。オリジナル脚本の傑作を期待したい。(テレビウォッチ編集部)