鹿児島県湧水町は、74世帯、154人の小さな町だが、毎年3万人もの人が集まる。住民たちの手作りイルミネーション15万球が、1.5キロにわたって続く「星のさんぽ道」の見物人だ。35年も続いていたが、今年で最後にするという。
中山美香リポーターが訪れると、色とりどり、さまざまに工夫された電飾が、集落の端から端まで、家の中にまで及ぶものもあった。この電飾がなかったころは、真っ暗な変哲のない里村だった。
子どもたちの帰宅を照らそうと始めた35年前
住人の上段良二さんが35年前、自宅玄関脇の庭木に電球を飾ったのが始まりだった。「学校の部活が終わるのが午後7時。真っ暗な中を帰ってくる子どもたちの安全と元気付けのためだったんです」と話す。「子どもたちが立ち止まって、『きれい』と言ってくれたのが嬉しかったんです。ただ、当時の電球は防水じゃなかったから、すぐダメになって取り替えていました」
14年経って、イルミネーションは21軒に広がり、町もパンフを作って宣伝するようになった。「星のさんぽ道」という洒落た名前も、住民が考えた。焼き芋を売って運営費の足しにした。それが今年で最後になるのは交通問題だった。
イルミネーションを見に来る車で国道が渋滞するようになって、住民の生活に支障が出るようになった。町は70台分の駐車場を確保していたが、国体のためにこれが使えなくなった。
上段さんは「断腸の思いです」という。長年、実行委員長も務めてきたが、それも今年で終わる。しかし、「続けてきてよかった」ともいう。
ファンからは感謝の手紙
司会の加藤浩次「続けてもらいたいような気もしますけどねえ」
大畑大介(元ラグビー選手)「離れたところにスペースを確保して、バスを出すとか、考えられなかったか」
中山「多い家では、年間60万円をかけてるというとこともあったようです。飾り付けも、少子高齢化で年配の人にはきついとか」
犬山紙子(エッセイスト)「35年間はすごいですよ。これを見て大人になった時、気持ちに違いが出ると思う」
上限さんの元には、ファンのお礼の手紙も届いていた。イルミネーションは、各家庭でそれぞれに続けてはいくという。