クリスマス商戦でケーキやチキンなどの買い取りノルマを課せられた店員の悲鳴が相次いでいる。達成できないと自腹での購入を強要される。毎年問題になるが、今年もSNS上では「普通に働いて、ノルマのケーキ買って帰ったよ」「ノルマで2個、ホールケーキを買わされた」「ホールケーキを胃もたれしながら食べる最悪な1日」といった書き込みが多数見られる。
アルバイトの女子学生は「チラシ配って、友だちに聞くなどして、10個は売りなさいというノルマでした。売れなかったら1個は定価で買いなさいと言われました」と話す。
チキンの買い取りを求められたというアルバイトの女性は、「余ったやつは買ってと言われ、みんなで買って食べました」という。クリスマス雑貨の販売ノルマを課せられた友人から、「買ってくれ」と助けを求められたという男性もいた。
ブラックバイトユニオンにも相談殺到
ブラックバイトユニオン(渡辺寛人代表)には年間約1000件の相談が寄せられているが、そのうち1割が買い取りノルマに関するものだという。渡辺代表はこう話す。
「ケーキは高いものだと3000円、4000円します。それを1つ2つ買うと、1日のアルバイト代の半分がケーキ代に消えてしまうという人もいます」「店舗ごとに過度な売り上げを競争させ、そこに学生アルバイトや主婦パートを巻き込んでいくという状況が、自腹の買い取り問題を生んでいます。みんなが買うので自分だけ買わないのは気まずい、という場の空気もあります」
自腹購入の購入は労働基準法違反
菊地幸夫(弁護士)「店側が従業員に販売目標を課すこと自体は法的に問題ないのですが、自腹購入を強要したり、賃金から天引きしたりするなどペナルティーを課すことは、労働基準法に違反する可能性もあります」
自腹を強要されたら、「毅然と拒否するか、労働基準監督署などに相談すべき」と話している。
宮崎哲弥(評論家)「ブラック体質の典型例ですよね」
大沢あかね(タレント)「みんな、お金がないからバイトしているのに。需要のデータがあるはずなので、店側がちゃんとカバーしてあげないといけないと思います」