インドネシアのスンダ海峡で22日(2018年12月)に発生した津波の原因は、火山の噴火が引き起こしたものだった。地震を伴う前兆のない「火山津波」で、日本でもかつて同じような津波が大きな被害をもたらせていた。
動画によると、観光客でにぎわうビーチでは人気バンドのコンサートが行われていたが、突然大波がステージを襲い、バンドメンバーも観光客も一瞬に飲み込まれた。現地当局によると、津波の30分ほど前から断続的な噴火で地滑りが起きていたが、前兆となる地震はなかったという。
江戸時代の雲仙岳・眉山では1万5000人が犠牲に
火山津波のメカニズムについて、ニュースデスクの笠井信輔が次のように説明する。「火山が噴火して地滑りが起き、これが海底にインパクトを与えて津波が発生する。極めてシンプルです。噴火だけでは津波は起きない。地滑りをしないと津波は発生しない。今回の火山は半年前から毎日のように噴火していましたが、沿岸の人たちは津波を警戒していませでした」
火山活動に詳しい東京大学地震研究所の青木陽介助教は「地震波の規模が小さく、津波を発生させる出来事が起きたことが分かりにくいため、警報を出すのが難しい」と語る。
これまで日本では、1640年の駒ケ岳(北海道)、1741年の渡島大島(北海道)、1792年の雲仙・眉山(長崎)で同じような津波があった。よく知られているのは、「島原大変肥後迷惑」(しまばらたいへんひごめいわく)と呼ばれる雲仙岳・眉山だ。死者1万5000人に及んだ。
笠井「青木助教によると、気をつけなければいけないのは、最近できた西之島、歴史的な渡島大島、そして桜島、富士山と指摘しています」
キャスターの伊藤利尋「日本、果たして大丈夫でしょうか。インドネシアの教訓すべきことは少なくないですね」
中江有里(女優・作家)「日本も火山が多いですから。桜島はモクモクとしていますが、津波と結びつくのが難しいですね」