東京都財務局の公式キャラクター「羊のメリーちゃん」と「はりねずみのハリーくん」が、自民党の税制調査会に激しく噛み付いている。「都民の税金が奪われる」「ATMじゃないぞ」と毒づいている。
14日(2018年12月)にまとまった与党の来年度の税制改正大綱の中に、東京都にある企業の法人事業税4200億円を、国税として国に移し、地方財源に回すという項目がある。実は2年前にも、法人住民税5000億円が同様に召し上げられており、合わせると9200億円が国のものとなる。
小池百合子知事も都議会で「これはもう改正ではなく、改悪です。もはや地方分権という言葉は死んだと言っても過言ではありません」と反撃した。
1人当たりの地方税収入+地方交付金は東京都民より多いのに・・・
所得税、相続税、消費税などは国税だが、住民税、事業税、地方消費税などは地方税で、自治体に入る。東京都は企業が集中しているから、法人住民税、法人事業税がたっぷりと入る。そこへ国が手を突っ込んできたのだから、ただでは済まない。
9200億円で何ができるか。保育所なら1200か所、特別養護老人ホームなら320か所、2000の高校にクーラーがつけられる。当然ながら、地方税って何なのだ、という議論にもなる。
住民1人あたりの地方税収入は、東京都がトップで18万7000円。平均が11万4000円で、沖縄は7万5000円だ。しかし、国から地方交付税が入るので、平均が18万3000円、沖縄は21万9000円で東京より多くなる。
何に使われているのかはっきりしない配分金
小池知事も「これまでも地方に配分されましたけど、どれほど地方が活性化し、過疎が改善したかは不明。エビデンスを示していただきたい」「来年は統一地方選だ、参院選だ、で地方へのバラマキ、選挙に使われると言ってもいい」と怒りは収まらない。元自民党幹部だから、本当のことを知ってる。
犬山紙子(イラストエッセイスト)「地方の使い方。ちゃんと使われるのなら、賛成派です」
大畑大介(元ラグビー選手)「それが見えないから、メリーちゃん、ハリーちゃんも怒ってる」
財政局のパンフの4コマ漫画には、国のボクサーが、後ろから不意打ちを食らわすところが描かれ、地方ボクサーが「卑怯だ」と叫んでいる。