山口県岩国市を中心に運行している「いわくにバス」の運転手の態度が悪いと乗客から指摘を受け、社長が考えたのは「驚きの対応」だった。
きっかけは「バスにあまり乗らないので、(カードへの料金の)チャージの方法が分かりませんでした。運転手の方から説明はありましたが、愛想がなく、不親切で不愉快でした」というメールだった。
さっそく届いた社長からの返信は、「運転席の近くに点検用のハンマーがあります。それを使って割とマジで次から運転士を殴っていいです。赤ちゃんと同じなので、その場ですぐ叱らないと理解しません」というものだった。
えっ、本当に社長のメールなのか。
赤字の市営バスを民営化して公募就任
「いわくにバス」は2009年、赤字だった岩国市営から民営化として設立した。従業員80人(運転士50人)、バス60台。社長は37歳、2012年に関東のバス会社から公募で就任した。ホームページやフェイスブックへ書き込みし、これまでも話題となってきた。
去年(2017年)3月に「客がバスのドアをたたいているのに、そのまま発車した」という苦情に対し、「全部、よそ者の公募社長が悪いですね!岩国から出て行け!みんな喜びます!」と返信をした。
公式ホームページのバスの時刻表にも、「苦情・提案は教えてください!苦情は声に出すことが大事!黙っていたら改善されません。結論として悪いのは全部社長です!いわくにバスを良くするために、みんなで考え、行動しよう!」と書いている。
地元の山口・岩国市「自重を求めました」
キャスターの伊藤利尋「どうも自虐的なアプローチが目立ちますね」
どういう社長なのか。ネットの中では過激だが、従業員に聞くと「社長の冗談ではないか。普段は過激なことを言う人ではない」という。
岩国市は「今後は自重してほしいということを社長に伝え、社長は『以後気を付けます』と答えました。市としては、社長は頑張っていると理解しています。事実、赤字だったバス運営を黒字にしております」といっている。
伊藤「独特な手法ですが、やり手でもあるようですね」
デーブ・スペクター(放送プロデューサー)「努力はしていますね。誤解されやすいので、ほどよく変えていった方がいいと思います」