おととい16日(2018年12月)の晩、札幌市豊平区内で起こった大爆発の原因がようやくわかった。可燃性のスプレー缶100本のガスを抜いた後、ガス湯沸かし器を点火したという、信じられない話だ。「スプレー缶の捨て方が変わったのを知らなかった?」というのだが、なんとも間抜けな話だ。
爆発が起こったのは、プロパンの引火が疑われた居酒屋ビルではなく、不動産仲介の事務所だった。42人のけが人のうちたったひとり重傷(火傷)だったのも、そこの従業員だった。
スプレーガスに臭いはなく、充満しても気づかない
警察・消防の調べによると、事務所では昼頃から従業員2人が、除菌消臭剤のスプレー缶のガス抜きをしていた。不動産物件の管理に使っていたもので、残っているガスを一本一本抜いていたのだが、数は100本を超えていた。で、作業を終えた問題の時間、33歳の従業員が手を洗おうとガス湯沸かし器を点火したところで爆発が起こったという。室内に充満していたガスに引火したとみられる。不動産業者は、毎月30本使っていたという。
隣の居酒屋の2階にいた客の話もあった。「最初の爆発が収まり、従業員も『落ち着いてください』と言っていたら、変な臭いがしてきたなと思ったら火が入った。消防車にハシゴをかけてもらっていたら、床が抜けた」といっていた。
居酒屋で爆発が起こったのではないとわかる。
専門家によると、燃焼目的のLPGなどと違って、スプレーのガスには臭いがつけられていない。だから、室内に充満していても気づかない。しかし、実験では、1本の使い残りでも引火すると相当な爆発を起こす。それが100本以上もあったのだから、凄まじいことになった。
そもそも、スプレー缶の処理方法が変わっていたという。かつては、缶を潰したり穴を開けたりしてゴミに出していたが、事故が多いため、環境省の指導で、「缶に穴を開けずに捨てる」と変わっている。事故を起こした従業員は、それを知らずにガスを放出していたということだ。
キャスターの加藤浩次「100本ものガスを室内で抜きますか?」
ロバート・キャンベル(東大名誉教授)「いかに危ないか。業者は扱いを、あ違えていた」