「私は怒りに震えている。店に入ると、人種差別的な『ブラックフェイス』を目の当たりにしショックを受けました」
SNSでそう怒りをあらわにしたのは、米ニューヨーク市の敏腕女性弁護士、チニエレ・エジエさん。怒りの矛先は世界的な高級ブランドのプラダだ。
「ブラックフェイス」とは黒人に扮し顔を黒く塗る表現のことで、黒人を揶揄する差別表現とされている。彼女が店頭で見たのは黒い顔と胴体、赤くて厚い唇が特徴のキャラクターだった。プラダはクリスマス向けのギフトとして発売した商品だという。
「これは恐ろしい」「プラダを買うのをやめよう!」と炎上
チニエレさんはプラダを訪れる前にアフリカ系アメリカ人歴史文化博物館でブラックフェイスの展示物を見て、プラダのキャラクターがあまりに似ていたのでショックを受けたという。
このことを投稿すると瞬く間に炎上、「これは恐ろしい。時代を全く分かっていない」「プラダを買うのをやめよう!」とプラダに非難が向かった。
プラダは公式ツイッターで「プラダは差別的なイメージを嫌います。これは想像上の生き物であり、現実世界を意識しておらず、『ブラックフェイス』も表現したものではありません」と弁明し、「深い遺憾の意を表明し心からおわびます。該当商品はすでに市場から撤去されており、販売はいたしません」と謝罪した。
チニエレ・エジエさんはイエール大学・コロンビア法律学校を卒業し、人種問題・ジェンダー・LGBTの権利などについて取り組んでいる弁護士だ。プラダの釈明についても「想像上の生き物で差別の意図はない」というプラダの主張に「人種差別的な表現について歴史上繰り返されてきた言い訳と同じ」と批判する。一方、SNSには「猿=黒人と考えている君たちが差別的なのでは?」という意見もあった。
キャスターの伊藤利尋「この線引き、難しいところがありますね」
若狭勝(弁護士)「差別の問題は心の問題で、受け手側の微妙なところがあるので、難しさがありますね」
古坂大魔王(お笑い芸人)「もう、売れないですね。これは芸術ではなく、商品ですからね。今後も表現の自由と人権侵害はぶつかっていくんでしょうね」