1995年の阪神淡路大震災の犠牲者を追悼し、災害の記憶を伝えるため行われている光の祭典「神戸ルミナリエ」の会場で、「インスタ映え」のためにわざと水を撒く不届き者が現れた。濡れた地面にイルミネーションが映る「リフレクション撮影」を狙ったもので、被災者からは「全然趣旨を理解していない」と、非難が起きている。
神戸ルミナリエは12月7日に開幕し、5日間開催された。今年はこれまでで最も多い約51万個のLED電球がきらめき、撮影スポットとして人気の仲町通り玄関口「フロントーネ」、東遊園地「光の壁掛け」「光の聖堂」は大混雑した。
水撒きは、開幕前の3日に行われた試験点灯の日にやられていた。カメラや三脚、脚立を手にした約10人の男たちが、「10リットル撒いた、ハハハハ~」「お疲れ~」「あ~、しんどい」などとはしゃぐ様子が撮影されていた。彼らの足元には、空のペットボトルが何本も転がっている。
被災者は「イルミネーションの趣旨がまったく分かっていない」
神戸ルミナリエ組織委員会事務局・本田雅也氏は「阪神淡路大震災の鎮魂と復興を目的として24年続けています。写真を撮ってくれるのはありがたいが、マナーは守ってほしい」と訴える。濡れた路面で誰かが滑るかもしれないなどということも考えない連中なのだ。
水撒き撮影をした男性の1人は、「とくダネ!」の取材に「このようなことをするべきではなかった。組織委員会に対し電話で謝罪した」と話した。
別所哲也(俳優)「あってはならないこと。SNSで発信したい人がリフレクション効果で撮影したくなる気持ちはわかりますが、倫理観と照らし合わせるべきですよ」
中瀬ゆかり(「新潮社」出版部長)「インスタ映えという言い方の中に、すべてを軽くしてしまう"インスタ映え無罪"みたいなところがありますよね」