岩手県雫石町の民間経営の水道事業で、供給を受けている民家やペンション35軒で料金の追加徴収が浮上し、供給停止騒ぎに発展している。35軒は9、10月分として合わせて50万9633円の追加料金を請求され、支払わなければ週明け17日(2018年12月)からの水道供給を停止すると通告された。
追加料金の徴収理由について、事業会社は井戸水をくみ上げるポンプの電気代が支払えなくなったためと説明している。一帯はリゾート地で、開発時から水道事業は民間会社が行ってきたが、最近は住民が死亡したり、連絡が取れなくなったりして、水道料金の徴収が難しくなり、経営が悪化していた。
「こっちは水道止めれば赤字減るんだ」と開き直り
事業会社が8日行った住民説明会では、住民から「(止めるぞという)強迫的な話ばかり。なんと頼むと頭を下げたらどうか」「(水道を)止めるという話が出てきたのがおかしい」と追及した。
これに対して、水道会社は「なんでこっちが頭を下げるのか。うちは水道供給を止めた方が赤字は減るんですよ」と開き直った。
雫石町の上下水道課長は「一番最寄りの公民館を給水所として開放するよう検討中です」と話すが、給水所までは民家から14キロも離れている。
改正水道法で各地で同様のトラブル頻発
高木美保(タレント)「この水道会社は、経営から管理、運営まで一貫して行っているんです。行政や住民から、管理だけを委託されていたらこんな事態にならなかったはず。インフラがダメになった時にどう対応するか、スピーディーさが問われる例だと思いますね」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「これは、もう町がやるしかないでしょ。公営化しかないと思う」
先日、政府・与党は水道事業を民営化しやすくする改正水道法が成立させたが、今後は雫石町のようなことが、あちこちで起こるのではないか。