三重県のスーパー「味彩館キッチン海ものがたり」で、カワハギとして販売された魚が、猛毒を持つ「ソウシハギ」だった可能性がある。カワハギは白身魚で、肝と一緒に食べると美味しいとされるが、ソウシハギは内臓に「パリトキシン様毒」がある。食べると呼吸困難やけいれんが起こし、重篤な場合は死に至ることもある。
このソウシハギは福井県敦賀市で水揚げされ、複数の市場を経由して三重県松阪市の卸売市場で同スーパーが3匹購入し、そのうち2匹が店舗で加工・販売された。購入した1人は食べる前に気づき、家族3人で鍋にした食べた人も、今のところ健康被害は出ていないという。
「変った魚が混ざってる」スマホで調べてビックリ!
三重県の担当者によると、そもそもソウシハギは水揚げの段階で排除されるもので、市場に出回ることはない。スーパーの仕入れ担当者は、毎日市場に並べられているものなので安心して買ってしまったと話し、加工した従業員は、カワハギに毒性を持つ種類があるという認識がなかったと話している。
販売した魚がカワハギではなくソウシハギだと判明したのは、荷降ろしをした従業員が「変わったハギがあるな」と思い、休憩時間にスマホで調べてたことからだった。保健所に通報した時にはすでに販売されていた。三重県は、市場を経由する段階でなぜソウシハギと見抜けなかったのか、詳しい流通経路を調べることにしている。
これまでも気付かず流通?
新江ノ島水族館の岩崎猛朗魚類担当によると、カワハギとソウシハギの見分け方は、胴体の水玉模様。ソウシハギには青い線がある。また、カワハギは体形が丸く厚みがあるが、ソウシハギは細長い印象だ。
社会学者の古市憲寿「これまでにも、気づかなかっただけで、こういう事例はあるのかもしれないですね」
弁護士の山田秀雄「心配ですね」
このほかにも、似ている魚に毒があるのは、ハゼと似た「ツムギハゼ」、ゴマフエダイに似た「バラフエダイ」には毒がある。
伊藤利尋キャスター「素人にはわかりにくいので、何とかプロの目で(市場に出回らないよう)お願いしますとしか言えませんね」