ハロウィーン直前の10月28日(2018年)、東京・渋谷のセンター街で軽トラックの屋根に乗って騒いだり、横転させた男4人を、警視庁は集団的器物破損の疑いで逮捕した。警視庁は渋谷の無法騒ぎを「2018クレイジーハロウィーン事件」と呼び、殺人捜査などを担当するエース級の捜査員を投入し、250台の防犯カメラを解析して容疑者を特定した。
暴力行為等処罰法違反(共同器物損壊)の疑いで逮捕されたのは、土建業の川村崇彰容疑者(22)、とび職・黒木裕太容疑者(27)、美容師・国分陸央容疑者、会社員・糀原翔大容疑者(20)だ。
4人のほかにも、日本人6人とイギリス人、フランス人など外国人5人の男を特定し、書類送検する。
渋谷センター商店街振興組合・小野寿幸理事長は「あれだけの騒動を起こしたのだから、逮捕は当たり前。警視庁には感謝します」と胸をなでおろした。
250台の防犯・監視カメラ解析して自宅割り出し
司会の伊藤利尋「4万人を超える群衆の中から、容疑者特定するのは大変だったと思います」
警視庁の元刑事・吉川祐二氏は、まず現場周辺の防犯カメラで人物を特定し、その人物の跡を駅までたどり、各駅の防犯カメラから降りる駅を割り出し、その街の防犯カメラや聞き取り捜査で容疑者の自宅を特定したのだろうと見る。
伊藤「警察の意地を感じます」
刑法の器物損壊罪ではなく、暴力行為等処罰法の集団的器物損壊を適用したのは、科料がなく、重い罪に問えるからだろう。
弁護士の山田秀雄は「警察の強いメッセージを送る意味がある」という。
社会学者の古市憲寿は「警察がその気になれば、どこまでも犯人を追える監視社会になったということですよね。安心な社会ではあるが、問題になるかもしれませんね」と懸念を示した。
クリスマスや大みそかのカウントダウン騒ぎも、今年は少しは常識をわきまえたイベントになるかもしれない。