2019年後期のNHK連続テレビ小説が3日(2018年12月)、滋賀県甲賀市の焼き物の里・信楽(しがらき)を舞台に女性陶芸家の奮闘記を描く「スカーレット」(9月30日スタート)に決まった。
女優の戸田恵梨香(30)がヒロインを務める。女性が窯場に入ると「穢れる」と言われた土地柄で、男社会に飛び込み、妻や母となってもモノ作りに情熱を燃やす陶芸家・川原喜美子を演じる。
モデルは骨髄バンク設立に尽力した女性陶芸家
現在も陶芸家として活躍している神山清子さん(82)の人生に取材、ストーリーの参考にしたという。実際の神山さんは、陶芸家の夫の反対を押し切り、作品作りに励んでいたが、夫が女性と蒸発、残された2人の子供を女手一つで育てながら、陶芸家として身を立てていく。独自の焼成方法で「信楽自然釉(しぜんゆう)」という作品を生み出し、全国の女性陶芸家に影響を与える。
長男も陶芸家を歩むが、白血病で夭逝してしまう。神山さんは息子の死の経験から骨髄バンクの必要性を痛感、設立運動に身を投じるのだ。その波乱万丈の生き方から、2005年に神山さんをモデルにした映画『火火』(主演・田中裕子、監督・高橋伴明)が公開されている。
ドラマでは、どこまでモデルの人生に沿った展開になるのだろうか。ちなみに近年の朝ドラでは、「わろてんか」は吉本興業の創業者・吉本せいがモデルだったが、ストーリーは本人からかなり離れたものだった。現在の「まんぷく」は日清食品創業者の安藤百福(ももふく)と妻仁子(まさこ)がモデルだが、ほぼ忠実に描かれている。(テレビウォッチ編集部)