コメンテーターの高木美保(タレント)は「仕組まれたものとまでは言わないですけれども、肉を切らせて骨を断つみたいな、もっと大きなけ油断というか、思惑があったんだろうなと思いますね」という。
玉川徹(テレビ朝日解説委員)も「海外の豪邸に住んでいるゴーンは悪い奴だねというイメージですが、それは表面的なことでしかないんですよ」と指摘する。日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者の逮捕の背景には、もっと複雑で巧妙な事情が隠されているというのだ。
司会の羽鳥慎一「それが、これです。日産とルノーの経営統合計画です」
「このままではフランスに食い尽くされる」
かつて日産はルノーの出資を受けて経営危機を乗り切ったが、最近はルノーの業績は振るわず、販売台数は日産の3分の2、株式時価総額は半分だ。
そこで、ルノーの株式の15%を保有するフランス政府のマクロン大統領は、日産の利益や経営資産をルノーに流し込むという立て直し策を考える。大統領に意向を受けたゴーンは今年9月(2018年)、日産の役員たちに「ルノーとの資本関係の変更を議論しよう」と持ちかけた。役員たちはワンマン会長に反対できず賛成すると、ゴーンは満足そうにうなずいたという。
これに危機感を持ったのが取締役ではない日産幹部たちだった。「これはワナだ。ルノーと経営統合したら、日産は食い尽くされる」と東京地検・特捜部に内部情報を流したと見られている。
フランス『ル・モンド』も「日本側のクーデターだ」
フランスの「ル・モンド」紙は「ルノー幹部は、(ゴーン逮捕は)経営統合をつぶすための日産のクーデターだと話している」と報じているが、まさにその通りなのだろう。
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「(内部通報した日産幹部は)なんとかゴーンを追い出すことはできないか、ということだったんだろうね」
法政大大学院の真壁昭夫教授は「状況でいえばそうですね。証拠があるわけではないですが」と見ている。