日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)が役員報酬を50億円少なく申告していたとして19日(2018年11月)、東京地検特捜部に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕された。
2010年度から14年度分まで実際には99億円9800万円を受け取っていたのに49億8700万円と記載していたというのだ。
問題は有価証券にウソを書く株主への裏切り行為
ゴーン容疑者は1999年にルノーから経営不振に陥っていた日産に派遣され、2000年に社長になり、大胆なリストラ断行でV字回復させ、「カリスマ経営者」と呼ばれた。
半面、役員報酬は上場企業の中でもトップクラスで、しばしば「高い」と批判されてきた。これについて、ゴーン容疑者は「グローバルな自動車会社と比べると高額ではない。日産はグローバル企業であり、世界的な水準で判断すべきだ」と反論していた。
では、世界的な水準はどうなのか。宇賀なつみキャスターが説明する。「朝日新聞によりますと、フィアット・クライスラーCEO約31億円、フォード・モーターCEO約23億円、フォルクスワーゲン会長約21億円となっています。こうしてみますと、ゴーン会長が決して高額ではないということが分かります」。
法政大学大学院政策創造研究科の真壁昭夫教授は「報酬はその国の文化、カルチャーが反映しますので単純にはいえませんが、ゴーンさんは日本人ではないのですから、それなりに説得力はあります」と説明する。
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「日本人の経営者がダメで、世界標準の経営者としてゴーンさんを招き、V字回復をしたのだから高くないですよ。大リーガーだって高いですよ」
司会の羽鳥慎一「ではなぜ、安くみせたのか。ちゃんと申告しても、結構残るのに、と思ってしまう」
真壁教授「株主・従業員に高いという印象を与えたくなかったからではないでしょうか。問題は虚偽申告、有価証券にウソを書くということです。これは株主を裏切ることですから、経営者としてはあってはならないことです」
それにしても、サラリーマンとの違いが大きすぎて、現実感のない話だ。